踊るように

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暑い日になってました。みなとは床にごろごろしていて、通ると私の脚をつかまえようとします。そのうちシャキッと起きて、ベランダでひとはしゃぎし、部屋にもどって私の膝に乗ったりします。路地のたまみは、裏の方からくるまの横を歩いて近づいてきます。尾をゆらして踊るような足取りで、トラックの方に行ったり、門に近づいたり、ひと回りします。

みなとは、この頃、私の膝に飛び乗るのが上手くなりました。前は、まずパソコンに飛び上がるので、画面が乱れて困りものだったのですが、今朝は直接、私の膝に飛び乗って来ました。私の脚の方が平らじゃないから上がりにくいのかも知れませんが、上手くなりました。この日は雨になり、路地のたまみは出てきませんでした。私は今は、ポール・ギャリコの「ジェニィ」を読んでるのですが、その前に読み返した百閒の「ノラや」の吉行淳之介による後書きでひっかかってたことの答えが出ました。吉行氏は新聞に折り込まれてきた百閒先生の猫探しのビラが美しかったのでとっておいたと褒めてますが、一方、猫のことぐらいでおおげさだとも評してます。百閒の取り乱しようは凄いには違いないけど、だけど…と私は思ってたのです。それで「ジェニィ」では、人間の少年のピーターが、ある時、白猫に変身してしまいます。それがお坊ちゃまだと気づかない婆やは、あいにくと猫嫌いだったので、ピーターは追い出されてしまいます。迷い猫として彷徨うピーターは、人に蹴飛ばされたり、どやされたり、石炭が降ってきたり、ボス猫にしたたかやっつけられたり、苦労の連続です。この悲惨な様子を読んでると、迷い猫のために、毎日毎日、泣いてやっても、けっしておおげさではないと思いました。しかし、いよいよ力尽きて倒れたピーターを、野良猫のジェニィが発見して、やさしく介抱します。ジェニィのねぐらの家具置き場で、今や廃品となっているナポレオンの天蓋つきのベッドで寝たり、ピーターの運命は、ようやく楽しい方向に変わって行きます。

翌日は晴れでした。みなとはベランダへ行ってきて、部屋の中で踊るように尾をふって、まるく動いてます。路地のたまみが、すでに塀の横に出て待ってました。やはり尾をふって、踊るようにまるく動きます。

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